溶接棒の基礎知識
溶接棒の基礎知識⑥~低水素系~
みなさんこんにちは、溶接市場店長の上田です。
第6回目は「低水素系」溶接棒の基礎知識をお伝えします。
「低水素系」とは炭酸カルシウム、フッ化カルシウムが主成分となっている溶接棒です。
溶接金属中の水素量が低く、強力な脱酸作用で酸素量も少ないので、溶着金属のX線性能、機械的性質や溶接作業性が優れています。
その反面、湿気に弱いため床面や壁から10㎝以上離し、風通しの良い場所で保管する必要があります。
また使用前には300℃~350℃の高温で30分~60分しっかりと乾燥させることが必要です。(ここ重要です)
特長としては、高電流で深い溶け込みが得られるため厚板の溶接に適しています。
しかし、スタート時のアークが不安定なのでビード始点やビード継部にブローホールを生じやすいので注意が必要です。
神戸製鋼でいえば「LB-26」「LB-52」といったLBシリーズ、日鉄住金でいえば「S-16」ニッコー溶材の「LS-16」が代表的な銘柄となります。
以下にメーカーの代表銘柄、溶接用途を記載しますのでご参考にしてください。
- 2018.06.07
- 16:16
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